デザインのスピードを上げたい!それと同時に考えなければいけない重要な事柄
“早くデザインが出来る”これは多くのデザイナーにとってのバリューであり、アピールすべきポイントの1つです。
ただ、特に、、企業に属するデザイナーにはその恩恵が薄すぎるように思います。今回はデザイナーとその作業スピードについて弊社の考えをまとめてみようと思います。
企業に属するデザイナーには多くの場合デメリットに働く
初めこそは感謝をされます「あのデザイナーのお陰でデザインフェイズを巻けた、助かった!」ただ、徐々に早いことが当たり前になってしまい通常の制作時間でデザインすると「なんか今回は遅いな」という印象さえ与えてしまいます。
早くデザインが出来たからと言って特別賞与がもらえるわけではありませんし(会社によってあるのかもしれませんが)早く帰れる人は往々にして見たことがありません。
会社としてはクライアントに対して「特急料金」という名目で通常のデザインフィーに何パーセントか乗せた請求ができることもありますがそういった案件の多くは往々にしてどこかに見えない火種が燻っており炎上することが多いのではないでしょうか(他の会社でトラブルがあったり、すでに炎上して回ってきたりetc…)
フリーランスでデザインをしているのであればそういった費用部分で実感値としてのメリットを得ることができるでしょうが企業に属するデザイナーではそういったところに恩恵を受けることはほぼないでしょう。
私が長年見ている中で言うと手が早く次々と仕事をこなすデザイナーは周囲が徐々にそのスピード感をスタンダードに認識してしまい、「もっと早くできるかも」さらには他のデザイナーに「お前もアイツと同じように早くやれるはずだ!」という無邪気で残酷なプロデューサーやプロマネの手によりさらに過酷な業務体系になっていくことを何度も目にしてきました。
そうなるとスピード感があることで仕事をさらに詰め込まれ、仕事が遅いデザイナーよりも多くの業務をこなさなければいけない現実が待っています。チームリーダー的な立場の人が見てくれていてワークフローの見直しをしてくれたり、年数回の給与査定にプラスしてくれればいいですがそういうことは本当に希なのではないでしょうか。
デザイナーとしてできること
ではデザイナーは仕事早く仕事をこなせることをどのようにアピールし考えていくべきなのでしょうか。
それは“スピード”を必ずいずれかのスキルとのセットにし+αとして訴求することです。
・デザインのクオリティが高い+α(スピードが速い)
・チームマネージメントが得意+α(スピードが速い)
・女性らしいデザインが得意+α(スピードが速い)など
手が早いだけだとそこだけを求められがちになります「クオリティを落とすわけにはいかないのでその時間ではできない、最低でもこれくらいの時間は必要だ」といつでも主張できるように、あくまでもスピードというスキルはスキルセットの+αにすることでデザイナーは自分のやるべきことを明確にし自分の生活(時間)を守る守らなければいけません。
もっと言えばスピード感だけを求められるような会社には長く属さない方がいいですし、そうでなくてもそこだけを求められがちならばそこのスキルを抑えてでも他のスキルをのばしセットにすべきなのです。そうすることで「○○をする以上は速度のみを求められても困る」という意見の主張をすることが出来ます。
少々後ろ向きに聞こえたかもしれませんが自分の時間を守らないと生活を守ることが出来ません、充実した人生を謳歌することは良いデザインを生むサイクルを創りあげることに繋がります。自分の時間を確保するためにもスキルの研鑽は重要なファクターですがデザインスキル=スピード、になっては非常に危険です。
雇用する側としてできること
早くデザインするのは当たり前のことではなく多くの場合は声を発さないデザイナーの寡黙な努力の上に成り立っています。デザイナーはそのことを声を大にして主張するべきですが同様に雇用する側はそれを深く理解するべきですしその上で雇用するべきなのです。責任者も社内で特急のデザインをこなせないのであればお金の力でフリーランスのデザイナーにお願いするなど他の方策も考えるべきなのです。
異論はあると思いますが時間を買うことができるのはお金だけだと思っています。社内のデザイナーの多くにそのような権限はありません。責任ある立場の人間がその仕事が会社として、チームとして妥当かどうかの判断をし、時として時間をお金で買うことも必要です。この場合社外のフリーランスデザイナーにとっては急ぎであっても仕事を得られればお互いの利害は一致します。
時間はお金で買えますが人の心はお金では買えません。会社は有能なデザイナーが疲れ切り会社を去らないように、早くデザインを終えたデザイナーには早く帰社してもらい充実した生活を送ってもらえるようなマネージメントとシステムを構築するべきだと弊社は考えています。
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