Web制作のノウハウをアプリ制作に活かすまでのまとめ
法人化して色々人に会う中でこんなことを聞かれます。
「何をメインに行う会社なのか」
「アプリ制作に転向したのか」
「Webサイト制作はしないのか」
など聞かれることがたまにあります。その辺り誤解もあれば弊社の思いや方向性が上手く外に伝わっていないのは私の至らなさに他なりません、なので折角blogがあるのでその辺りをまとまり無くつらつらと書いてみたいと思います。
Flashの存在意義を問われる
さかのぼること2010年、故Appleのスティーブ・ジョブスが元祖スマートフォンであるiPhoneとiPadに技術的な理由としてAdobe Flashをサポートしないという発表が行われました。時代の流れからそれらのデバイスが主流になっていくことは明白でその当時、フリーランスだった私はFlashをベースとしたプロモーションを行うリッチなWebサイトの企画やデザインが主業務だったため「これはマズイ」とその辺りの時期からかなり深刻な危機感を感じていました。
その危機感は現実のものとなり2011年から2012年にかけてFlashによるリッチコンテンツ案件は激減していきました(全てのWeb制作会社には該当しないと思いますが)それに変わるようにHTML5を使ったリッチなコンテンツが勢力を伸ばすことになりました、しかしWebブラウザー上でシームレスに動作することを考えるとやはりFlashほどパワフルで幅広い表現ができないことと、そもそもPCサイトにインタラクティブ性を求めるのであれば「これはFlashで実現すべきだ」という論議が何度も行われました。この動きは今でも代理店と制作会社の間で起きているのではないでしょうか。
FLASHからHTML5、そして新たなUX/UIデザインの重要性
2013年になりその流れ(棲み分け)は一段落した感もありHTML5を強引に使ったインタラクティブなサイトは一部となり、パララックス効果を使ったサイトや各デバイスで最適化された状態で閲覧できるレスポンシブデザインサイトなど、HTML5で無理なく実現できるWebサイトが安定して誕生した年であったとも思います。
そのような中でUX(ユーザーエクスペリエンス)とUI(ユーザーインターフェイス)の存在がよりユーザーと密接なデバイス、スマートフォンとタブレットPCはより存在感を増してきました。アプリとWebサイト、スマホ1つで2種類のUX/UIのデザインを手がけられるこのデバイスのコンテンツを手がけようという動きは多くのWeb制作会社にも見受けられたように思います。
実際に2013年の当初からそれらデバイス関連の案件が増えてきました。このUXとUIのパラダイムシフトは大きな変革はチャンスだ!とその時に直感いたしました。そんな中、偶然にも自主プロジェクトで制作したアプリ、「欠席カメラ」をリリースしたことの影響は思いの外大きくこのアプリが無かったらハラハラは存在していなかったと言っても過言ではありません。
FLASHが与えてくれた素晴らしいノウハウ
今もFLASHが大好きです。人間の生理に合わせたかのような心地よいインタラクション、様々なAPIと連動しダイナミックな処理をリアルタイムに実現できる、そんな素晴らしい体験を提供してくれるアプリケーションが今まであったでしょうか。
ただ、その素晴らしい体験を促すための装置であるPCという存在はスマホやタブレットに台頭するモバイルデバイスに押され存在感を薄めてつつあります。より一般のユーザーのプリミティブな欲求により近い(触りやすい、見やすい、分かりやすい)コンテンツでありその体験をよりよいものにするためのインタラクションが切実に求められる時代が訪れたのです。
FLASHコンテンツの演出企画は非常に細やかでマウスカーソルをボタンにマウスオーバーするなどのアクション1つ取っても繊細なトランジションを発生させユーザーに訴求できる体験をより高度なものにしてくれました。それらを実現するための表現企画はアプリでも存分に活かすことができています。もっと言えばPCよりも画面解像度の小さいスマートフォンであればその限定度の大きい世界の中で更に緻密な演出企画が必要になることも作る側の喜びに変えることができると信じています。
スマートデバイスの様々なジェスチャーをどのような場面で用いどのようによりよいユーザー体験を促すのか、それらはFLASHで培われた「ユーザーに心地よい体験を提供する」というスキルをアップデートすることができる!と確信しました。
開発する喜びとリリース後の自身の素晴らしい体験
単純に言えばアプリは世間の評価(立ち飲み屋でとなりにいたオジサンがiPhoneに入れてくれていたり、友達の彼女がこれまた偶然入れてくれていたり)をダイレクトに感じられ今までのモノヅクリとの評価とは次元が違うモノでした。あとはUX/UIの精妙なデザインを行うことがとても新鮮な行為だと素直に感じました。ユーザーエクスペリエンス、素晴らしい体験ができるのはユーザーだけでなく開発する我々もそれをもっと感じるべきだし最も感じることができるのは今のハラハラで言えばアプリの制作なんだと思います。
法人化をしよう、という思いは以前の記事でも触れていますのでそちらを見ていただくと共に、PC以外のデバイスのコンテンツ開発の感触と現実の仕事の内容を鑑みるとWeb制作をメインにする会社ではなくあらゆるデバイスのあらゆるコンテンツのUX/UIの開発を行う会社にすることが今の時代に合っている、という思いもあり以前とは全く別の屋号、見え方の株式会社ハラハラという形での再スタートとすることとしました。
アプリの制作だけを行うわけではなく時代に合わせたUX/UIデザインを提供する。
アプリはスマホの中で最もパワフルに動作するコンテンツ、このUX/UIデザインの開発は時代性を考えれば絶対に外すことはできないですし今後は弊社の主戦力の1つになっていくとは思います。ただ我々が何かに依存するとすればデバイスでもその中で動く固有の何かでもなく常に「普遍的なコンテンツであり、時代性を反映したUX/UI」です。時代が変わりどれだけパラダイムがシフトしようとも柔軟に変化し続ける、その意思表明自体を具現化した企業体がハラハラだと考えています。
現時点でもWebサイトの制作、ロゴ開発、いろいろやっております。スタッフもフロントエンドエンジニアを中心に揃えておりますので私だけの力ではなく今までもよりももっと緊密に柔軟にお仕事をさせていただくことが可能です。
時代性とのトゥーマッチを感じるようなコンテンツも我々の業務内容に未だ多くあります。それが良い悪いではなく、緩やかに流れに合わせて緩やかに既存のパラダイムをシフトしていける存在になりたいのです。と言いつつ今までご贔屓にしていただいたクライアント様にも逆に見捨てないでほしいな、と思っています(泣
常に変わり続けること、それこそが本当の目的
その柔軟性を発揮できるのであればPCのWebサイトでも企業のイントラネットでもリモコンで操作するTVコンテンツでもなんでも良いのだと思います。それは今後弊社で働くようになるスタッフにも同様の気持ちでいてほしいと思っています。
もっと言ってしまえば既存のUI(ユーザー・インターフェイス)も今後はOUI(オーガニック・ユーザー・インターフェイス)、NUI(ナチュラル・ユーザー・インターフェイス)になどの今は未だマイノリティなインターフェイスにシフトしていくでしょう。そして我々もその流れに合わせて変わり続けていきたいと思います。存続している限り変わり続ける集団、ハラハラをそんな企業にしたいのです。
クリエイターも当然加齢していきます、目も悪くなり、脳細胞も若い頃のように活発に動かなくなる日も必ずくるでしょう。でも、それまでの経験値を武器にユーザーによりよい体験を促す装置としてのUX/UIの開発が行えるようにしていきたい。明日は今日よりも素直に、ピュアに、元気に、転がり続けて止まらないように変わり続けたいと思います。
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